越智 隆治
WEB-LUE参加水中写真家の合同ブログ

今年、10日間も遭遇した子クジラ、IKUMI。10日間も観察できたので、その成長の早さもかいま見ることができた。ザトウクジラの子どもは、1日に500リットルの母乳を飲み、1日に60〜80kgも体重が増えるという。
IKUMIも最初見た頃よりも、倍近い大きさに成長していたようだった。
別の日には、水深20m付近で歌っているシンガーに遭遇。素潜りで、テール側から撮影。


8月28日(土)、3週目のゲストの内、2週間滞在の伊藤さんを残して、帰国の途についた。
この日は、僕が伊藤さんと二人で、フルークに、トニーはプロティウス。エミさんは皆の送迎で空港へ。
伊藤さんのリクエストで、今日は最初からIKUMI狙い。この親子、当然のように、いつもとほぼ同じ場所で、先に出ていたプロティウスが発見していた。これで、8日目だ。
他にはほとんどクジラがいないのに。
先週は、かなりハードに探しまわったので、今日は「IKUMI」待ちをしてのんびり過ごすことにした。
プロティウスが泳ぎ終わった後、僕らが交代して海に入った。
今日は、入水の回数も多くて、水面下で色々なポーズを取る彼女を撮影することができた。


ザトウクジラの子どもは、1日に500リットルもの母乳を飲み、約60〜80キロ、体重が増えるそうだ。だから、すでに生まれてから10日近く経ってるから、僕らが観察している間に、600キロ以上大きくなっているわけだ。
確かに最初の頃確認したときのサイズに比べれば、幼さよりも、かなりやんちゃな感じになってきた。
母親から浮上して、水面下で遊んでいるときも、かなり母親の上から離れて、「遠出」することもしばしばで、時には母親を見失ってしまったように、途方にくれて探しまわるような行動をするときもあった。
そんな時は、母親の方が娘を見つけて浮上してきて、一緒に移動をしていた。浮上してきて近づいてきた母親と「IKUMI」に丁度挟まれるような状況になった時もあり、「まずいかな?」と思ったけど、2頭とも、特に慌てる感じでもなく、終止穏やかに過ごしていた。

上の写真が、8月20日に撮影したIKUMI親子の写真。鼻先に乗っかって甘えている。
下が、28日に撮影した写真。

最後に、別の船に親子を譲って、今日は早々に引き上げた。
さらに詳しいトンガの状況は、Into The Blueでご覧になれます。

8月19日(木)
北風、快晴。身体に当たる風は生暖かい。この日、トニーはプロティウス、エミさんはフルーク、僕はプナで海に出る。
プナは、今年はほとんどクジラが見られていない、ノースベイに行ってみることにした。北風で荒れているとは思ったのだけど、午後の方が風が上がる予報だったので、午前中に様子を見ておこうと思った。
案の定、北には船がまったく見当たらない。おまけに、ノースベイに入る入り口で、早速親子を発見した。
まだ11時前、これなら外洋に出て行かない限り、大人しくなるまでじっくり時間をかけられると思った。しかし、その時間の余裕がいけなかった。
最初はエスコートもついていて、時折子どもがブリーチングを見せてくれたりしていたが、一向に止まる気配がない。親子とエスコートは、移動を続け、ノースベイから、ホワイトパッチを通過して、トンガシカの外側を蛇行しながら、フンガ島のチャネルの中側へと移動を続けた。母親とエスコートは、まったく止まる気は無さそうだったので、諦めようかと思い始めていた。追跡時間はすでに1時間以上経過していた。
途中でエスコートが姿を消した。あのトリッキーな動きは、もしかしたら船ではなくて、エスコートから離れようとしていたからなのかもしれない。この考えがまた裏目に出た。おまけに、周囲にはこの親子以外にブローはまったく見当たらないのも、追跡を継続させた原因でもあった。
後で、トニーと写真で母親の背びれを確認したのだけど、この親子は,前日にトニーたちが遭遇した親子と一緒の個体だった。その日も同じようなトリッキーな動きをしていて、泳げなかったという。それがわかっていれば、もう少し早めに諦めていたかもしれなかった。

船が近づくと方向転換していただけだったのが、チャネルの中に入ると、今度は潜行して姿を消すと、かなり遠くに浮上したり、潜行した方向をはまったく違う方向から浮上したりするようになった。
結局、一度皆には入水してもらったが、結局姿を確認することはできなかった。最終的に、諦めたのは1時過ぎ。2時間以上もたっていた。
他の船に無線連句を入れるが、途切れ途切れで良く聞こえない。追跡途中でトニーとエミさんが会話中に「また〜?!」というトニーの声が聞こえていたので、多分またジンベエザメに会ったということかなと思ったら、案の定ジンベエザメに遭遇していた。それと同時に、トニーはペアにトライしているという連絡が入っていた。
その後、僕らは再度ノースベイの様子を見に行くが、北風がさらに強くなっていて、ノースベイは荒れ荒れだったために、捜索は断念した。
また、チャネルの北側に戻る。この頃には、すでに3時を過ぎていた。もうとっくに戻る時間になっていたプロティウスからは、チャネルを出たさらに南側で去年の子どもと母親らしきペアと泳げているという無線が入った。海中で休むときは、胸びれの白い部分しかはっきり見えないくらいの深さになってしまうが、浮上してくるとかなり好奇心が強いらしい。
北から南へ移動する間に、引き上げるプロティウスとすれ違った。こちらはすでに現場に到着しているフルークを目指して移動を続けた。到着するとすぐにペアがこちらに浮上してきたので、皆でエントリーした。
潜ると、15分くらいは浮上してこない。目をそらすと見失ってしまいそうになる。確かに、先に小さいサイズの個体が一度浮上して一度もう一頭の方に潜ってしばらくしてまた一緒に浮上する。確かに、去年生まれた子どもで、今年まだ親離れしていないように見えた。

子どもと思っていた方は、オスと確認できていた。しかし、“母親”と思っていた方は、浮上してものんびりしていて、お腹は確認できなかったのだけど、3度目くらいの浮上のときに、ペニスを出して浮上してくるのを確認した。
最初はサイズもあまり違わないから、“子ども”の方がペニスを出していたのかと思っていたのだけど、次に浮上した時にもやはり“母親”と思っていた方がペニスを出していた。どうやら“親子”ではなくて、“オスのペア”だった。
ペニスを出している瞬間も撮影できたし、何より、この日も全員が水中でクジラと泳ぐことができた。
それにしても、今週は、自分はあまり運が無い。僕の船一隻だったら、3日間ともクジラと泳げていなかったに違いない。それでも、3隻で連絡を取り合っているから、確実に皆にクジラを水中でみせれている。

2009年に、ダイビングワールドから発売されたカレンダーですが、今年も越智隆治の写真だけでカレンダーを作成します。
今現在、カレンダーの下に、Into The Blueのロゴをつけたカレンダーの予約を受け付けています。すでに150部ほど、お問い合わせ頂いていますが、もし来年のカレンダーをご希望の方はご連絡ください。
また、企業などで、自社のロゴをつけて、贈り物にする事も可能だそうです。まだ写真のセレクトの段階ですので、サンプル画像はありませんが、2009年度のものをサンプルとして、アップしておきます。
また、ダイバーから毎年発売されるカレンダーでも、来年も数カット写真が使用される予定です。こちらもよろしくお願いします。